所   信

 

 

公益社団法人 新庄青年会議所

 第62代理事長 長澤大輔

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<はじめに>

 明るい豊かな社会の実現を目指し1964年に設立された新庄青年会議所は、本年で設立から62年を迎 えます。白黒テレビがようやく普及し始めた時代から、スマートフォン一つで世界中のあらゆる人とつ ながりAIが人をサポートする現代まで、社会は大きく変化しました。私たちが一貫した思いを貫き続 けてこられたのは、先輩諸氏が修練・奉仕・友情の3信条のもと、絶えず情熱を燃やしながら「明るい 豊かな新庄もがみ地域」の姿を目指し、そのバトンを承継されてきたことの証であります。そしてこの 62 年は、数々の関係諸団体並びに自治体、地域住民の皆様が新庄青年会議所の運動に心を寄せて頂い た、協働の歴史でもあります。時代とともに形を変えながらも確実に私たちの中に宿るこの想いを、こ れからも力強く継承していくことをお約束します。

 

 近年、社会は再び大きな変化を迎えています。複数の地域で戦争や紛争が勃発し、特にウクライナ侵 攻や中東での紛争は、エネルギー価格の高騰や食料供給の不安定化を招いています。さらに、アメリカ と中国の対立は、単なる貿易摩擦を超え、テクノロジーの覇権や安全保障をめぐる構造的な対立へと発 展しました。私たちが長年前提としてきた開放された世界の秩序は揺らぎ、世界は分断の時代へと向か っています。一方で、日本社会は長年にわたるデフレからの脱却を試みる中で、急激な円安とインフレ ーションに直面しています。円安は輸出企業にとっては追い風となる一方で、人々の暮らしの負担を増 大させ、ものづくりを主とする地域産業にとっては経営環境の大きな変化を意味します。また、少子高 齢化と人手不足の進行により外国人財の活用が進み、現在では日本人口の約3%、新庄もがみ地域の人 口の約1%を外国人が構成するようになりました。

 

 今まさに、私たちが生きてきた30年間の社会の常識とルールが変わろうとしています。

 

 しかしながら新庄青年会議所は、これまでも、そしてこれからも「明るい豊かな新庄もがみ地域」を 実現する一貫した姿勢を貫きます。戦後であろうと、経済成長期であろうと、不景気であろうと、原始 時代であろうと、地域に暮らす大切な人たちの笑顔のために私たち現役世代の青年が熱意と力を結集 し、運動を興す。青年会議所の運動には人々の根源的な願いに応える、決して揺らがない「プリミティ ブな価値」があると信じています。

 私たちにできることは、社会の変化の中で、強く折れない「地域が良くなる戦略」を描き続けること です。そして、誰もが自身の可能性を信じ、果敢に挑戦できる地域社会を築くことだと考えます。私た ちは、成長しようとする挑戦を応援し、たとえ失敗しても再び立ち上がれるような社会を実現する運動 を展開していきます。青年である私たち自身も、地域を愛する心を胸に、メンバー一人ひとりが誰より も率先して挑戦します。その先に、笑顔あふれる新庄もがみ地域の未来を描き続けることをお約束しま す。

 

<多様な人財が活躍するまちづくり>

 新庄もがみ地域は少子高齢化と人口減少という不可逆な課題に直面しており、生産年齢人口の減少 は、地域社会の活力が失われる大きな要因となっています。一方で、外国人財の受け入れは増加の一途 をたどっており、彼らは地域の産業にとって欠かせない存在となりつつあります。

 しかしながら、言語や文化、生活習慣の違いから生じるコミュニケーションの壁は、お互いにとって 大きな課題です。この壁が放置されたまま外国人が増加し続ければ、不必要な摩擦や偏見が生まれ、や がては地域社会の分断を招く恐れがあります。多文化共生は、単に同じ地域に暮らすことではなく、互 いを理解し支え合う関係性を築くことで初めて実現します。

 私たちは、この課題に先駆けて行動します。新庄青年会議所が目指すのは、国籍を問わないあらゆる 住民が、文化や固定概念の壁を越えて「良質なコミュニケーションと交流」を育むまちづくりです。

 来る未来のために、私たちは住民一人ひとりが多様な価値観を認め、尊重し合える心を育むことを目 指します。互いを理解し合い、共に未来を創造する。それが、持続可能な新庄もがみ地域を築くための 重要な一歩であると考えています。

 

<地域の食と子ども達の成長を守る青少年育成>

 近年、私たちの暮らしが直面している急激な物価高騰は、未来を担う子どもたちの大切な食にも影響 を与えています。この影響は緩やかに、しかし確実に、子どもたちの成長と発育に影響を与えます。同 時に、地球規模で進む気候変動は私たちの食の基盤を揺るがし、物価高騰の一因となっています。「い つでも、どこでも、あらゆる食材が手に入る」というこれまでの当たり前が、もはや保証されない時代 へと変化しているのです。

 新庄もがみ地域は豊かな食文化、農産資源に恵まれた地域です。今こそ「地産地消」のあり方を見直 し、新庄もがみ地域の豊かな食資源とその価値を無駄なく子ども達につなげる、新たな食育事業を推進 します。時代の変化に流されることなく地域全体で食の安全保障を築き上げていくことで実現する、子 どもたちの笑顔溢れる未来は、新庄青年会議所が目指す地域の姿です。

 

<果敢に挑戦するひとづくり>

 現在、私たちは、過去30年間の前提や社会のルールが大きく変わる激動の時代に生きています。こ の変化の波を乗りこえ、より良い未来を創造するためには、既存の概念に縛られず、失敗を恐れずに果 敢に挑戦する、想像を絶する数のトライアンドエラーが必要です。

 しかしながら、日本社会は一般的に、挑戦に対して寛容であるとは言えません。一度挫折すると、再 び立ち上がることは非常に難しく、失敗を許さない風潮は多くの人々の挑戦意欲を削ぎ、人や地域の成 長を停滞させる大きな要因となっていると考えられます。

 私たちは、新庄もがみ地域から多くの挑戦が生まれることを心から願っています。日本青年会議所が 戦後の焼け野原から立ち上がったように、たくさんの課題を持つ「課題先進地域」である新庄もがみ地 域だからこそできるイノベーションがあるはずです。新庄青年会議所は、「人の成長しようとする挑戦 を応援し、失敗しても再度立ち上がる人を賞賛できる」新庄もがみ地域を目指します。この地域から多 くのチャレンジャーが生まれることが、笑顔あふれる豊かな社会の実現につながると確信しています。

 

<地域防災体制の強化>

 近年、新庄もがみ地域では豪雨などの災害がたびたび発生しています。2024年7月の豪雨では、河 川の氾濫や土砂災害、道路の崩壊など甚大な被害が発生しました。防災において最も重要なことは平時 に備えること。しかしながら、災害の無い期間が続けばその危機感は少しずつ薄れてしまいます。

 新庄青年会議所は、発災時の初動体制マニュアルを確立し、地域の関係機関との協力体制を築いてま いりました。本年度は、各地域の課題感を調査するとともに行動計画をブラッシュアップし、有事に備 えてまいります。さらに、より迅速で効果的な災害支援を目指して、災害支援と新庄青年会議所メンバ ーの得意分野をリンクさせることで、より地域に寄り添った支援ができる環境を構築します。

 住民が安心して暮らし続けることができる地域を目指して、メンバー一人ひとりが当事者意識をもっ て防災に取り組み、さらに体制を強化していきます。

 

<共感をよぶ広報と持続可能な組織づくり>

 新庄青年会議所は多様な職業を持つ青年経済人の集まりです。そして、その最大の強みはメンバーそ れぞれが持つ専門的な知識や経験です。出会いに感謝しながら、この強みを最大限に活かし、より効果 的な運動を興す持続可能な組織へと変革していく必要があります。  しかしながら、良い活動を続けるだけではその運動の効果は関係者に限定され、笑顔溢れる地域を実 現するためには非常に遠い道のりとなります。必要なのは、運動の意義や目的が伝わり、より多くの人 の心を動かす「共感をよぶ」広報活動です。本年度は、共感とともに運動の環を拡げ、より多くの地域 住民を巻き込んだ事業展開を目指してまいります。また、その運動の環を拡げることで未来の仲間とな る新入会員を巻き込み、さらに大きな運動を興せるようになる好循環を構築することで、組織の基盤を より強固にしていきます。

 その前提として、メンバーが社業や家庭を大切にしながら、青年会議所運動に安心して取り組める環 境を整えることで、誰もが持てる力を最大限に発揮できる組織を実現します。

 

<結びに>

 私たちが今目の当たりにしているのは、かつての当たり前が通用しない時代です。この激動の社会に おいて、過去の成功体験にしがみつくのではなく、未来を創造するために自ら変化の当事者となること こそ新庄青年会議所に課せられた使命だと考えます。

 青年会議所の運動には、人々の根源的な願いに応える「プリミティブな価値」があると信じていま す。どんな時代になろうと、地域に暮らす大切な人たちの笑顔のために、私たち現役世代の青年が熱意 と力を結集し運動を興すこと。そして、地域住民が自身の可能性を信じて積極的に挑戦し、その挑戦が 地域の未来の可能性として応援される前向きな地域を築くことであり、これはどんな時代でも揺るがな い絶対の価値です。

 新庄青年会議所は、これまでの歴史で培ってきた修練・奉仕・友情の精神を胸に、地域を愛する心を 忘れず、誰よりも率先して行動します。すべては、私たちの愛する新庄もがみ地域に暮らす人びとの笑 顔のために、あらゆる壁を越え情熱と覚悟を持って歩んでいくことをお約束し、2026年度の所信とさ せていただきます。